皆様こんにちは。
当センターでは、地域や産業が抱える身近な課題を解決するため、
中小企業者等と大学が共同で取り組む「地域課題に係る産学共同研究」を公募し、
採択された7テーマを平成26年7月より実施、その集大成として3月13日(金)に
産学共同研究成果発表会と成果品の展示・交流会を開催しました。
その成果発表会の様子を、まずは4テーマご紹介します。
※研究の詳細が知りたい方は、テーマをクリックし、概要報告書を御覧ください。
①
『オクシズの静岡在来蕎麦を活用した地域戦略商品の開発』
[事業推進者] 株式会社ARIGATO、静岡在来蕎麦ブランド化協議会、静岡大学農学部 教授 稲垣栄洋
静岡のオクシズ地域で栽培される在来蕎麦が、蕎麦通の間で人気があることは皆さんご存知でしたか?その在来蕎麦を観光資源とし、土産物にすることで地域活性化しようとする想いが今回の研究につながりました。
そして土産物用の蕎麦として製粉、製麺技術の開発のほかに静岡らしい在来蕎麦の商品として、煎茶の香りを活かした「究極の茶そば」の商品が完成しました!
交流会で試食をさせて頂きましたが、お茶の香りが口の中に広がり、とても美味しかったです。
これからは静岡の観光名物の1つに在来蕎麦の存在が欠かせないですね。
②
『口腔機能維持・改善に有効な訓練飴に関する研究開発』
[事業推進者] 訓練飴研究会、静岡県立大学短期大学部 講師 森野智子、教育研究推進部産学連携室 特許活用アソシエイツ 山﨑元貴
要介護高齢者が今後20年間急増することが予測されている現状、高齢者のQOLの向上を目指し研究されたのが、口腔機能維持・改善です。
そしてこれまでに棒付き飴によるトレーニングで重度認知症患者の嚥下機能改善の経験があったそうです。このトレーニングの効果を健康な高齢者を対象に行ったのが今回の研究です。そう、高齢になっても自分の力で食事を摂ることはとても大切な事なのですね。
本研究では、他のリハビリ法と比較して、何よりも楽しくできて継続性が期待できるという、高齢者における嚥下障害を改善する為の「訓練飴」が完成しました。
今後は口腔機能改善に必要な訓練飴としてバリエーションの展開を増やしていく予定だそうです。また、一般向けの商品はドラッグストア等で販売展開するようですので、是非注目してみてくださいね。
③
『マグロ加工残渣からの高機能性DHA・EPA含有油脂の抽出・濃縮技術の開発』
[事業推進者] 伊比水産株式会社、静岡大学工学部 教授 佐古 猛、助教 岡島いづみ
冷凍マグロ水揚げ日本一と言われている清水港では、近年水揚げ量が最盛期の三分の一にまで減少しているそうです。そこで、未利用部位を有効活用、マグロの加工残渣を利用しようと考えたが今回の研究です。
青魚から採れる高機能成分DHA.EPAは、成人病予防などに効果があるのは有名ですね。この成分を活用したサプリメント市場は今後も拡大すると考えられることから、サプリメントの商品化を目指しました。
そして、マグロの加工残渣からの魚油の油脂の抽出は品質の劣化が懸念されていましたが、濃縮技術を特殊な方法を採用する事で、従来より抽出しやすくなる技術開発に成功しました!
今後もサプリメントの商品化まで研究を続けるそうです。商品ができるまで楽しみにしています。
④
『静岡県産シラスを用いた新鮮チルド製品の開発』
[事業推進者] 山梨罐詰株式会社、静岡県立大学食品栄養科学部 准教授 増田修一、助教 島村裕子
マグロに引き続き・・・静岡ではシラスの水揚げ量が全国的に有名なのは皆さんご存知ですね。
中でも用宗港から水揚げされるシラスは漁場が港に近く、収穫から加工まで時間が短い事から鮮度、風味、食感が良いそうです。
しかし、従来の釜揚げシラスの加工工程でのチルド処理は鮮度が落ちやすく6日間と賞味期限が非常に短かったそうです。
そしてこの課題に対し、今回の研究では缶詰でありながら従来の釜揚げシラスと同等の風味を持ちつつ、6週間にわたり無菌の状態を保つ事に成功しました。
今後は特許を取得、事業化、製品化に向けて次のステップに進むそうです。
釜揚げシラスの缶詰が食卓に並ぶ日も夢ではありませんね。
残り3テーマ(後編)は後日ご紹介いたします
産学共同研究に興味のある方はお気軽に
コチラまでお問い合わせくださいね。
(編集:mazda)